アップデート : 2021-03-06
映画『パラサイト 半地下の家族』で多くの国際映画祭で受賞し、アメリカのニュース雑誌「タイム」では世界で最も影響力のある100人にも選出されたポンジュノ監督。「鬼才」と言われるポンジュノ監督ですが、『パラサイト 半地下の家族』で知った方も多いのではないでしょうか。今回は代表作の8作品をご紹介します!
原題:플란다스의 개
放送:2000年
キャスト:ペドゥナ、イソンジェ、キムホジョン、ピョンヒボン
日本からの視聴方法:U-NEXT、アマゾンプライム(2021年2月時点)
『ほえる犬は噛まない』は、ポンジュノ監督の長編デビュー作です!
なかなか出世できず妻に虐げられるユンジェ(イソンジェ)と、ユンジェが暮らす団地の管理事務所で働くヒョンナム(ペドゥナ)が今作の主人公。
個性的な登場人物は沢山いますが、何より視聴者に強い印象を残したのはピョンヒボン演じる団地の警備員ではないでしょうか。
犬を調理するシーンに驚いた人は多かったはず…
ポンジュノ作品はメッセージ性が強く、社会に切り込んだものが多いイメージですが、数ある作品の中では少し存在感の薄い作品と言われる『ほえる犬は噛まない』。
コメディ要素とサスペンス要素の絶妙なバランスが最大の魅力です!
原題:괴물
放送:2006年
キャスト:ソンガンホ、ピョンヒボン、パクヘイル、ペドゥナ
日本からの視聴方法:U-NEXT、アマゾンプライム(2021年2月時点)
韓国で一番有名な河と言えば…多くの人が漢江と答えるでしょう!
そんな漢江に、突如現れる超巨大生物“グエムル(日本語で「怪物」)”
河川敷で売店を営むパク一家の目の前で次々と人が襲われ、ついにはパク家の長男カンドゥ(ソンガンホ)の娘ヒョソン(コアソン)がさらわれてしまいます。
グエムルが生まれた原因は、2000年に在韓米軍が毒性の強い有機化合物を漢江に流出させた事件をヒントにしたと言われています。
今作はソンガンホやピョンヒボン、ペドゥナなど、ポンジュノ組常連の役者が多く出演!
グエムルの声を担当したのが、オダルスということも公開当時話題になりましたよね!
原題:마더
放送:2009年
キャスト:キムヘジャ、ウォンビン、チング、ユンジェムン
日本からの視聴方法:U-NEXT、アマゾンプライム(2021年2月時点)
知的障害を持つ息子トジュン(ウォンビン)は、貧しいながらも幸せに母親と暮らしていました。
ある日トジュンは、少女殺害容疑で逮捕されてしまいます。
息子の無実を信じる母親が、真犯人を探し奔走する今作。
『殺人の追憶』や『グエムル-漢江の怪物-』などが有名で、最近代表作に『パラサイト 半地下の家族』が仲間入りしたポンジュノ作品。
ですが、一部のファンからは『母なる証明』こそポンジュノ監督の最大にして最高の名作と言われています。
原題に隠された秘密を知ってからポンジュノという人物のセンスが、ある意味恐ろしく感じました。
気になる方は「母なる証明 原題 秘密」で調べてみてください!
原題:살인의 추억
放送:2003年
キャスト:ソンガンホ、キムサンギョン、キムレハ、ソンジェホ
日本からの視聴方法:U-NEXT、アマゾンプライム(2021年2月時点)
多くの人にとって韓国映画の入り口とも言える『殺人の追憶』。
今作は、韓国三大未解決事件と言われる「華城連続殺人事件」が題材となりました。
(未解決事件と言われていますが、2019年9月真犯人が断定しました)
全体的に暗く、田舎特有の閉塞された雰囲気がまた不気味ですが、それ以上に恐ろしいのが警察の暴力的な捜査。
それを良しとする組織の恐ろしさときたら…平常心を保てないシーンが多くありました。
また『殺人の追憶』と言えば、映画史に残るラストシーンが印象的ですよね。
あらゆる考察のあるラストシーンですが、どの考察もゾッとするくらい核心を突いています。
原題:옥자
放送:2017年
キャスト:アンソヒョン、ティルダ・スウィントン、ポール・ダノ、ジェイク・ジレンホール
日本からの視聴方法:Netflix(2021年2月時点)
Netflixが巨額の製作費を掛けて作った『オクジャ okja』は劇場未公開作品でした。
今作のテーマは、食肉の是非。
韓国の山奥で暮らすミジャ(アンソヒョン)の家族は、祖父とオクジャと名付けられたスーパーピックだけでした。
最近よく聞く食糧問題という言葉ですが、真の問題点は何なのか。
大人でも目を背けたくなったという感想が殺到した食肉加工シーン。
「“食糧”問題、“食肉”問題をただ批判するのではなく理解することがより重要である」
そういうメッセージをラストシーンには感じました。
『オクジャ okja』は、学校の教材として使用しても良いかもしれません!
原題:설국열차
放送:2013年
キャスト:クリス・エヴァンス、ソンガンホ、コアソン、ジェイミー・ベル
日本からの視聴方法:Netflix、U-NEXT、アマゾンプライム、Hulu(2021年2月時点)
フランスのコミックを基に映画化した『スノーピアサー』は、ポンジュノ監督がハリウッド進出を果たした作品です。
氷河期に突入した地球を舞台に、階級社会の列車内で反乱を企てる人々が描かれています。
この列車は、氷河期を生き残った人類が暮らす唯一の場所であり、小さな階級社会。
どんなに小さい世界にも存在するのが格差ですよね。
かなり賛否が分かれた『スノーピアサー』ですが、否定的な意見の多くは「とにかく作品が暗い」というものでした。
個人的には、この暗さがポンジュノ監督の独特な世界観だと思うので『スノーピアサー』はとても面白かったです。
原題:기생충
放送:2019年
キャスト:ソンガンホ、チェウシク、パクソダム、チャンヘジン
日本からの視聴方法:Netflix、U-NEXT、アマゾンプライム、Hulu(2021年2月時点)
半地下で生活するキム一家と、高台の豪邸で生活するパク一家。
決して交わることのない2つの家族が、交わるときに起こるのは幸せな未来か、闇か…
『パラサイト 半地下の家族』は、コメディ要素が多かったのも大衆にウケた理由のひとつ。
ただこの作品、一回見ただけでは理解できないような伏線が沢山ありました。
ニオイもそのひとつで、映画におけるキーワード。
半地下住宅は日本人にとってあまり馴染みがないかもしれません。
韓国にはまだ半地下住宅があるようで、以前日本の番組でも特集されていました。
ポンジュノ監督の作品を初めて見る方には特におすすめの映画です。