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【残虐すぎる…】韓国で起きた凶悪ストーカー殺人事件…韓国のストーカー規制法についても解説

アップデート : 2022-04-02

日本でも数年前から問題視されているストーカーですが、近年韓国でもストーカーから発展した殺人事件が多く、韓国国民から注目されている問題の1つとなっています。今回は、韓国で起きたストーカー殺人事件と共に、韓国のストーカー規制法についても解説していきます。

韓国のストーキング犯罪・処罰法について

今までの韓国のストーキングに対する法律

日本では2000年から施行されている「ストーカー規制法」。


“つきまとい”等を繰り返す悪質なストーカー行為者は、1年以下の懲役、もしくは100万円以下の罰金が科せられます。


では、お隣韓国ではどうでしょうか?


実は2021年になるまで、韓国にはストーカーに対する明確な制裁規定がありませんでした。


2013年3月に施行された「軽犯罪処罰法」が唯一で、業務妨害や、無賃乗車といった犯罪と同等に扱われてきました。


具体的には、3回以上異性への交際を要求し、注意を受けたにもかかわらずストーキング行為を繰り返すと処罰され、最大10万ウォン以下の罰金・拘留、または一定の財産を納付することが処罰の全てでした。


また、行為が繰り返されても、明示的な拒絶意思表示がなければ罰する事ができなかったようです。

現在の韓国のストーキングに対する法律(2021年〜)

韓国では数年前から何度もストーカー関連法を制定しようという動きがありましたが、なかなか実現に至らずにいました。


しかし、2021年10月、遂に「ストーキング処罰法」が施行されることとなります。


これにより、「被害者の意思に反して」接近し、“つきまとい”などを正当な理由なく繰り返し、被害者の不安を引き起こすとストーキング犯罪として認められるようになりました。


また、このようなストーキング行為だけで3年以下の懲役、または3千万ウォン以下の罰金に処すことも可能に。


凶器を所持したストーキングの場合は、5年以下の懲役、または5千万ウォン以下の罰金へと量刑が大幅に拡大されました。

韓国で起きた衝撃のストーカー殺人事件

慶尚北道 妊婦 殺人事件(2009年)

2001年、犯人であるキムナムグク(김남국)と被害者女性は、インターネットを通じて知り合いました。


その後、交際に発展するも、4年ほどで破局。


それから数年後、被害者女性が結婚するとの情報を聞きつけたキムナムグクは、ストーカー行為を開始します。


幾度どなく“付きまとい”や“脅迫”などを行い、2007年には、釜山地裁で懲役1年、執行猶予2年の判決が下されました。


執行猶予が終わる2009年5月25日、被害者女性を待ち伏せしていたキムナムグクの元に、眠っている3歳の娘を抱いた彼女が現れます。


キムナムグクは、被害者女性に飛び掛かり、準備していたハンマーで何度も顔を殴打した後、ナイフで全身を20回以上切りつけ刺殺。


当時、被害者女性は妊娠2ヶ月であったことや、幼い娘の前で殺害する等の残虐性から、韓国では一番刑の重い、無期懲役が求刑されました。

可楽洞 ストーカー殺人事件(2016年)

2016年、友人の紹介で犯人であるハンと被害者女性は知り合います。


6ヶ月ほど恋人関係にありましたが、被害者女性が別れを告げた事で、ハンのストーカー行為は始まります。


被害者女性の会社や自宅に訪れたり、電話やSNSで執拗に連絡を続けました。


ストーカー行為はどんどんエスカレートしていき、“殺す”“一緒に死のう”といった脅迫文が届くようにもなりました。


2016年4月19日、ハンは被害者女性の出勤時間に合わせ待ち伏せし、被害者女性を追いかけました。


被害者女性は叫びながら走って逃げるも、ナイフで腹や心臓などの6ヵ所を刺され、まもなく死亡。


2017年にハンは無期懲役が決定しました。


この事件は2016年に起きた殺人事件の中でも、韓国国民から大きく注目され、ストーカー犯罪に対する意識が変わるようになりました。

蘆原区 母娘3人 殺人事件(2021年)

2020年11月ごろ、犯人であるキムテヒョンと被害者女性は、オンラインゲームを通じて知り合い、2〜3度直接出会った頃から、ストーカー行為が始まっていきました。


キムテヒョンは、被害者女性の住所を特定し家に押しかけるなどしていましたが、被害者女性に「これ以上付きまとわないで。連絡もしないで。」と拒否されたことにより犯行を決意。


2021年3月23日、キムテヒョンは配達員を装い被害者女性の家に侵入。


当時家に一人で居た被害者女性の妹と、その後帰宅した被害者女性の母親を殺害します。


しばらくして帰宅した被害者女性も殺害し、自殺を計るも致命傷には至らず、2021年10月、キムテヒョンの無期懲役が決定しました。


あまりにも残虐性の高いストーカー犯罪であり、韓国国民からの怒りの声も強く、国民の署名活動により、後に加害者の顔写真も公開されるほど、世間に余波を与えた事件となりました。


また、この事件をきっかけに、韓国ではストーカーに対する法律が早急に変更されました。

中区 ストーカー殺人事件(2021年)

2020年、犯人であるキムビョンチャンと被害者女性は交際関係にありましたが、破局。


その後、暴言や脅迫といったストーカー行為がはじまり、被害者宅への無断侵入も10回以上行ってきました。


2021年6月26日以降、生命の危機を感じた被害者女性は、警察に5回に渡って通報。


警察はキムビョンチャンに接近禁止、メールなどでの接近禁止を言い渡し、被害者女性にはすぐに通報が行えるよう、スマートウォッチを支給するなどの措置をとりました。


被害者女性は、保護施設や友人の家などを転々としていましたが、2021年11月19日、自身の家に寄った際にキムビョンチャンと遭遇。


被害者女性はスマートウォッチで救助信号を送るも、警察側の場所探知がうまくいかず、被害者女性の元に警察が到着する前に、犯人の手によって殺害されてしまいました。


キムビョンチャンは、警察との取り調べ中に舌を噛んで自害を試みるも失敗。


現在は裁判を受けています。

松坡区 ストーカー 殺人事件(2021年)

2021年12月5日、被害者女性は、元恋人のイソクジュンからの性的暴行を受け、警察に通報。


その後、スマートウォッチを受け取り、身辺保護の対象となっていました。


12月10日、犯人であるイソクジュンは被害者女性宅に侵入し、当時家にいた被害者女性の母親と、被害者女性の弟を切りつけました。


被害者女性は当時現場に居合わせておらず、被害を受けることはなかったものの、弟は重体・母親は死亡。


犯人はすぐに確保され、現在は裁判を受けています。


また、イソクジュンは被害者女性の自宅住所を、興信所から受け取っていました。


興信所職員は、区役所職員から数万件の個人情報データを買い取っており、さらに韓国を震撼させる事態となりました。

まとめ

韓国のストーキングに対する法律と、韓国で起きたストーキング殺人事件についてお伝えしました。


年々ストーカー行為に対する見方が変わってきているものの、まだまだ法律が追いついていない部分も多いですよね。


これ以上痛ましい事件が起きないよう、法規制はもちろん、警察の対応や国民の意識も改革されていくべきでしょう。

 

日本も韓国も、一人でも多くの方が安心して生活できる環境が、実現していくといいですね。

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