ソウル・新林エリアは本当に治安が悪い？過去5年間に起きた殺人・事件をご紹介

ソウルの冠岳区に位置する新林洞。

この新林エリアは日本人の間でも「治安が良くない場所」として知られています。

また韓国人の間では“無法地帯”と呼ばれるほど、一昔前までは夜になれば喧嘩や犯罪が絶えないエリアとされていました。

しかし、新林エリアに長年住んでいる方は意外と多く、外国人留学生も多く居住。

そのため、最近では「治安は良くなった」という声も上がっています。

今回はそんな新林エリアで、過去5年の間に事件たちを紹介していきます。

日本でも大きく報道された「新林洞 通り魔事件」。

2023年7月21日の午後2時頃、新林駅4番出口近くの路上や地下駐車場で30代男性が無差別に凶器を振り回し、1人が死亡、3人が負傷した事件です。

目撃者の証言によると犯人は「凶器を持ったまま笑っていた」ということで、その動機は社会問題に対する不満でした。

なお犯人は前科3犯で、地裁や家裁に送致された経験が14回あるとのこと。

いわゆる“劣等感による通り魔犯罪”と言われていますが、これが同じような状況の人々に共感され、似たような事件がいくつも発生することになりました。

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こちらも記憶に新しい「新林公園殺人事件」。

2023年8月17日午前11時過ぎ、新林洞にある冠岳山公園で30代男性が面識のない女性をナックル（メリケンサック）で暴行。

その後、性的暴行を加え、女性は事件発生から2日後に脳死状態のまま亡くなりました。

犯行の動機は「レイプがしたかった」という身勝手なもので、警察から検察に送致される際には、報道陣が集まる状況を楽しむかのような反応も…。

現場となった公園は見通しが良く住宅地の真ん中に位置していること、また100m先には小学校があること、さらに白昼堂々の犯行であったことから周辺住民に大きな衝撃を与えました。

2022年9月27日に新林洞のコシウォンで発生した「コシウォンオーナー殺人事件」。

コシウォン（考試院）は学生向けの共同宿舎施設で、安い家賃で大学受験に集中するための部屋を意味します。

一方で、事件が発生したコシウォンの居住者は主に中高年層であり、犯人は30代の男性でした。

犯人は自分が居住するコシウォンのオーナーである70代女性を殺害し、現金10万ウォン（約1万円）やクレジットカード、通帳などを盗んで逃走。

なお犯人はこのコシウォンに14年間住んでおり、契約が終了した当日に鍵を返却するためオーナーの元を訪れ、そこで犯行に及んだとのこと。

詳しい動機などは分かっていませんが、金銭目的の犯行と推測され、2023年2月に1審で懲役27年が宣告されています。（現在、控訴審が継続中）

2019年5月28日の早朝6時過ぎに発生した「新林洞 住居侵入事件」。

30代男性が新林洞にあるヴィラで帰宅した20代女性を追いかけ、住居への侵入を試みた事件です。

公開された監視カメラ映像によると、男性は女性の後を追うようにエレベーターを降り、女性の部屋に侵入しようとするもタッチの差で玄関のドアが締まります。

その後ドアを叩き、携帯電話や懐中電灯でドアロックを照らし、10分間に渡り階段に隠れていたことが判明。

また男性は新林駅から女性の後をつけていたことが判明し、これは単なる「住居侵入未遂」ではなく、「強姦未遂」として世の中の女性に衝撃を与えました。

しかし、全ては「未遂」に終わっており、女性は強姦の被害などを受けていないため、2020年6月に懲役1年が確定。

強姦事件の被害者の約9割が女性と言われている中で、あまりにも軽すぎる刑罰となりました。

ソウル・新林エリアで過去5年間に起きた殺人事件などをまとめてご紹介しました。

昔から治安が悪いと言われている新林エリアですが、「新林洞スンデ通り」などグルメの名店が立ち並んでいるスポットもあり、若い方の姿も多く見られます。

実際に凶悪な事件が数多く起きているエリアではありますが、一概に「危険だから絶対に近づかないで」とは言い切れません。

そのため、もし新林エリアを訪れる際には女性の一人歩きに注意し、できれば夜間を避けるようにしましょう。