アップデート : 2020-05-15
韓国でも人気俳優のヒョンビン。 2011年に兵役でもっとも過酷で厳しいと言われる海兵隊へ入隊しました。そもそも海兵隊とは?そして兵役後の活動は?ヒョンビンの兵役、その後についてまとめてご紹介します。
韓国俳優ヒョンビンが志願したのは「海兵隊」。
海兵隊は、韓国の軍隊の中で最も軍務が厳しいと言われている部隊です。
海兵隊の兵役をやり遂げることで、社会から一目置かれる存在になるとも言われます。
韓国の若い男子に「男の中の男の部隊」と人気で、志願者がとても多いところ。
ヒョンビンは、ドラマ「シークレットガーデン」で人気絶頂期の20代の終わりに海兵隊を志願しました。
海兵隊への入隊を許可され、20歳前後の隊員にまじって軍務を行う20代後半のヒョンビン。
体力的にも精神的にも大変な兵役を選んだヒョンビンに韓国男子が称賛の声をあげました。
ドラマの中のヒョンビンのセリフを使い「本当の社会指導層の選択」として憧れの存在となったのです。
ヒョンビンは、韓国の慶尚北道(キョンサンブクド)浦項(ポハン)市南(ナム)区烏川邑(オチョンウプ)にある海兵隊教育訓練団に入隊しました。
入隊部隊は、2011年3月7日~2012年12月6日の1137期。
ヒョンビンは本名のキム・テピョンとして、人気絶頂期に自ら海兵隊へ入隊を志願した男。
海上の軍事境界線の北方限界線(NLL)に近い白翎島(ペンニョンド)で戦闘兵として兵役を務めました。
2010年12月24日、水原(スウォン)兵務庁で海兵隊の入隊面接を受けたヒョンビン。
面接では「海兵隊の男らしい強いイメージに良い印象を持っていました。また、自分の周りには海兵隊出身の友人や先輩そして後輩がいて影響を受けました。」と語ったヒョンビン。
30点満点の体力テストで29点を取り、当日の受験者およそ350人のうち最上位圏だったそうです。
ヒョンビンは、「海兵隊入隊を決めたことに後悔はない」と話します。
「ファンに約束します。2年後にはもっと強くなって成長した姿をお見せします。今の人気はいつまで続くかわからないし、2年後にはダメになるかもしれない。 だけど演技の面で、そして人間として、さらに成長した姿を見せることができると思うので海兵隊の入隊を決めました。」と。
ヒョンビンの決意は、「やらないで後悔するよりは、やって後悔したほうがいい」と言うものでした。
海兵隊の入所式の日。
ヒョンビンは700人以上の同期の代表として宣誓を行いました。
部隊内で厳しい規則が存在する海兵隊、いったいどんな訓練をするのでしょうか?
まずは、新兵の訓練から厳しいのが海兵隊。
陸軍の新兵訓練は5週間。
しかし、海兵隊は7週間にわたって行なわれます。
海兵隊に入隊すると、まず浦項にある新兵訓練所に入所。
身体検査があり軍人としての精神を叩きこまれます。
その後、徹底的に制式訓練(軍人としての敬礼や歩き方の訓練)が行われます。
ここまでは陸軍も海軍も同じですが、応用訓練で厳しさが増すのが海兵隊。
海兵隊の任務は、海から上陸して敵地へ行くので水陸両用の訓練が必要です。
海兵隊員は素早く水陸両用車に搭乗し、陸地に到達した瞬間に上陸しなければならないのです。
砂浜に身体を伏せたのちに立ち上がって前進するという動作を繰り返しながら。
これはものすごく体力がいるもので、海兵隊新兵にとって最初の難関となる訓練です。
ゴムボート訓練もとても重要。
波の荒い海でゴムボートを操作するのは大変難しく、それを使った上陸訓練も頻繁に行なわれます。
ゴムボートの重量は100kgを超える物で、それを訓練兵で持ち上げるのです。
自在に扱えるように訓練を徹底的に行います。
実践を想定しての厳しい訓練が行われるのが海兵隊。
ヒョンビンはこのような訓練を若い世代と一緒に乗り越えました。
ヒョンビンは除隊式の挨拶で、演技がしたかったと涙を流しました。
2012年12月6日午前、京畿道(キョンギド)華城(ファソン)市に位置する海兵隊司令部で行われた除隊記者会見でのこと。
この日、世界中の約200のマスコミが取材のために集まり、1200人のファンと関係者がヒョンビンの除隊式を見守りました。
この日ヒョンビンは、「寒く道路が凍って足元が悪い中、早朝から除隊式に来てくださったファンの皆様、関係者の方々に心から感謝します。」と挨拶を始めました。
続いてヒョンビンは「ずっと演技がしたかった」と、突然言葉につまり涙を流したのです。
背を向けて感情を落ち着かせたヒョンビン。
手で涙を拭うと、ふたたび話しを始めました。
「休暇のときも自分で演技ができないので、他人の演技する姿を見ながら心を慰めた」と。
「やっと、僕に演技ができる時期が訪れた。皆様が待ってくださっただけにしっかりと準備して、本当にやりたかった演技を、僕の演技を待っていた方々に披露したい。軍生活で得たエネルギーをお返ししたい。」と語ったのです。
ヒョンビンの顔は涙で濡れていました。
記者会見の前に行われた除隊申告式では、国防部長官表彰と海兵隊司令官表彰を授与したヒョンビン。
トップレベルの俳優でありながら芸能兵士ではなく、一般兵士と同じ待遇と訓練を受け、誰よりも誠実に服務したことに対しての表彰です。
自分で決めたことだからと、全力で頑張ってきたヒョンビン。
彼の誠実な態度と「演技をしたかった」と涙ぐむ姿に、多くの人が共感して涙を流したのです。
ヒョンビンの復帰作は映画「王の涙-イ・サンの決断-」です。
この映画は、政治的な混乱の大きかった朝鮮時代を舞台にした作品。
ヒョンビンは強くてカリスマ性溢れる君主の正祖(チョンジョ)役です。
正祖即位1年、王の暗殺を巡って繰り広げられる、生きるべき者、殺すべき者、生かすべき者たちの24時間を描いた作品。
朝鮮の歴史上最も衝撃的な事件、丁酉逆変(王の暗殺を企てた反乱)をモチーフにしています。
実は「王の涙-イ・サンの決断-」はメディア試写会で酷評を浴びました。
今まで、イ・サンのドラマやキャラクターは多くの役者によって演じられてきました。
今回は、歴史的な事実をベースにフィクションが加えられた映画。
そのため、視聴するときにある程度の歴史に対する知識が必要とされました。
また、惜しまれるのは王のヒョンビンよりも個性的な他の俳優たちの演技が目立ってしまったこと。
ヒョンビンは人気絶頂期であったドラマ「シークレットガーデン」の出演時に比べると、評価が落ちてしまいました。
ヒョンビンの現在の活躍を紹介します。
彼は、2019年12月14日~2020年2月16日に放送されたtvNドラマ「愛の不時着」で再びブレイクしました。
気になる視聴率ですが、「愛の不時着」の最終話は21.7%を記録。
これは「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」が記録した20.5%を上回り、tvN歴代最高視聴率を更新したのです。
映画「ザ・ネゴシエーション」以来、ソン・イェジンと共演したヒョンビン。
海外ロケも話題となり、スイスやモンゴルで撮影されたドラマです。
「愛の不時着」は、ある日突風によるパラグライダーの事故で北朝鮮に不時着した財閥の跡取り娘ユン・セリ(ソン・イェジン)と、彼女を守るうちに愛するようになる北朝鮮の将校リ・ジョンヒョク(ヒョンビン)の極秘ラブストーリーです。
王道のメロドラマなのにコメディ的な演出で重たくならずに視聴できるドラマ。
また、自立した女性の生きづらさやヒョンビン演じる将校のまっすぐに貫く愛。
全てのドラマの良い所を集めた究極の作品「愛の不時着」。
ヒョンビンしかできない演技で韓国中の女性を魅了しました。
今回は「兵役で株急上昇?海兵隊を志願した男・ヒョンビン!」と言うことで、人気絶頂の時期に最も過酷な軍務に着いたヒョンビンを紹介しました。
男の中の男ヒョンビンが「愛の不時着」で再びブレイクします。
海兵隊を志願し、過酷な1年9ケ月を乗り越えた俳優ヒョンビン。
「愛の不時着」が大ヒットしたことで、“メロキング”として韓国と海外のファンの心をしっかりとキャッチしました。
第3のブームを迎えたヒョンビンが次に予定しているのは映画の出演。
ラブストーリーからアクションまでジャンルにとらわれない俳優ヒョンビン。
ヒョンビンのこれからの活躍に期待しましょう。