韓国で2020年に変わる10の出来事を紹介しています。
まずは、スマートフォンで証明書が発給できるようになります。
また携帯電話に登録できるモバイル運転免許証が実施されようとしています。
韓国政府の目的は「国民が利用しやすいこと」と「セキュリティ強化」。
また政府のコスト削減にもつながっています。
その他、夫婦同時育児休暇の制度や最低賃金の値上げ、そして労働時間の短縮も手掛けています。
子育てや働き方がもっとよくなるように、未来に向かって進んでいるのが韓国です。
韓国政府は2019年12月18日から、住民登録などを対象に電子証明書発行・提出の試験サービスを実施しました。
そして2020年3月末までには、紙での発行数が多い住民登録の電子証明書発行・提出サービスに切り替える方針です。
これは、情報通信技術(ICT)を中心としたデジタル化の流れを組み、あくまでも利用者の目線にあわせて電子行政サービスを改善したもの。
これで官公署や銀行などの手続きに必要な証明書類も、電子文書形態でスマホに保存して提示できるようになります。
2020年4月1日からは12種類の証明書へ拡大し、21年末までに対象を印鑑証明書など300種に増やすことを目標に掲げています。
今までの証明書や確認書の発行や提出は、そのための機関を訪問することが必要でした。
また、メール・ファックス・写真の転送などの過程で発生する個人情報流出の危険性も。
それを全て解消するのが、今回の電子証明書の発行‧提出サービスなのです。
韓国で早ければ2020年の上半期(1~6月)に、運転免許証をスマホに登録できる「モバイル運転免許証」が導入されます。
今までは日本と同じように、プラスチックのカード型で発行されていた韓国。
警察庁と移動通信大手のKT、SKテレコム、LGユープラの3社が協同で発表しました。
このサービスが導入されれば、スマートフォン利用者が運転免許証を登録することで、警察庁などの「運転免許証検証システム」と連動することができます。
いつでもどこでも、リアルタイムで運転資格の確認や身分証明ができるようになる優れもの。
法的根拠もあるため、財布と同時に免許証を無くして何もできない状態は避けられますね。
韓国では2020年に発行されるパスポートのデザインとカラーが変更されることになりました。
現在はグリーンですが、このグリーンがイスラム教徒の国で多く使われているそうなので、誤解をさけるために変更することになりました。
新しい一般のパスポートは紺色。(グレーは公用旅券、赤は外交旅券)
パスポートの素材も「ポリカーボネート」に変更され、住民登録番号の記載もありません。
耐久性とセキュリティー効果が主な狙いです。
また「住民登録証」もデザインが変更になります。
「住民登録証」は韓国の国民全員が持っている身分証明書です。
日本のマイナンバーカード。
住民登録証は、13桁の番号が割り振られて、個人のいろいろな情報を一括して管理することができています。
その住民登録証が約14年降りに変更されることになりました。
2020年1月に変更されるのは、耐久性とセキュリティーの強化が狙いです。
住民登録番号が45年ぶりに再編成されることになりました。
2020年10月から地域表示番号が消えることに。
地域番号が含まれていると地域が特定されたり、住民番号が推測されるのを防ぐのが目的です。
新しく付与された住民番号は、性別(男は1、女性は2)の最初の番号を除いた残りの6桁がランダムな数字で構成されます。
政府は変更コストと社会的混乱を防ぐために、生年月日と性別は変更しない改善案を示しました。
住民番号再編の対象者は、出生などにより新規に住民登録をする者と後は一部の対象者のみ。
そのほかの国民は、現在の住民登録番号をそのまま使うことになります。
韓国の育児休暇は、①8歳未満または小学校2年生以下の子どもがあり、②勤続期間6ヶ月以上であり、③配偶者が育児休暇していない男女の労働者が使用することができるものでした。
このように、今までは同じ子供の配偶者が同時期に育児休暇を取ることはできません。
しかし、2020年2月28日からは③が変更となり、夫婦が同時に育児休暇がとれるようになります。
また育児休職給与も両方の親に支給される制度。
子供は両親の愛を受けながら育つのが望ましいとされ、「子育てしやすい韓国社会」を目指しています。
今回制度が変わることで、男性の育児休暇が促進されることが期待されています。
2020年2月1日から女性の子宮や卵巣などの超音波検査が、健康保険の適用範囲となりました。
今までは、4大重症疾患(癌・心臓・脳血管・希少難治)に限って健康保険が適用されてきました。
子宮や卵巣などの超音波検査は、女性にとって子宮筋腫や卵巣嚢腫などを診断するための基本的な検査方法。
しかし今までは保険対象外だったのです。
2020年2月1日からは子宮・卵巣などの疾患が疑われ、医師が超音波検査の診断が必要であると判断した場合に、健康保険が適用されることになります。
今回の健康保険の適用拡大によって、女性の医療費の負担は2分の1から4分の1の水準まで軽減されるそうです。
7.現金支払いの細かいおつりを口座へ即送金(入金)可能
コンビニやマートなどで現金で支払うと、おつりが小銭でもどってきます。
お釣りの小銭をスマートフォンを介して、自分のICカードやモバイルキャッシュカードと連携した口座に入金してもらえるサービスが始まります。
2020年上半期に導入予定の現金戻し入れシステム。
「通帳のない社会」事業の一環として、2017年4月からコインのない社会を推進してきた韓国。
消費者側は関連するアプリがインストールされていれば、スマートフォンだけ所持すればよくなります。
コイン製造にかかる費用や管理コストを削減し、コインの発行や流通コストを下げようとする狙いがあります。
2020年1月1日から、化粧品のアレルギー誘発成分表示が義務付けられました。
今までは義務化されていなかった表示義務。
これからは、25種類ある指定アレルギー誘発成分を、一般の名前で表示しなければなりません。
これは、消費者の「知る権利」を最大限に尊重したもの。
化粧品に配合された成分の中でアレルギーを引き起こす可能性がある場合、消費者が製品を選ぶ前に知ることができるようにしたのです。
表示義務には、1年間の猶予期間を設けています。
日本でも大人気の韓国コスメ。
これからは、ますます安心して購入することができますね。
韓国は1988年から最低賃金額制度が適用してきました。
政府は徐々に適用範囲が拡大して、2001年には全ての労働者が対象となった最低賃金制度。
2019年の最低賃金額は時給8,350ウォンで、2020年1月より時給8,590ウォンへ値上げとなります。
韓国特有の週休手当を加えると、1万20ウォン(984円)になるそうです。
この引き上げは、人間らしく生きる権利のために踏み切ったとのこと。
政府は「1万ウォンは人間らしく生きる権利を象徴するものだ」と以前から最低賃金の引き上げを格差解消の看板政策に掲げていました。