BTSの歌詞から学ぶ韓国社会と韓国語♡彼らが若者たちから支持されるワケ！

みなさんはBTSの人気曲「BAEPSAE」をご存知ですか？

韓国語では「뱁새」と表記し、英語では「silver spoon」と訳されます。

「BAEPSAE」とはダルマエナガ（達磨柄長）という鳥のことで、とても脚が短いのが特徴。

韓国には脚の長いコウノトリと比較して「ダルマエナガがコウノトリを真似すれば股が裂ける」ということわざがあり、これは「他人の真似をして自分の能力以上のことをすると痛い目に合う」という意味で使われます。

すなわち「BAEPSAE」は、「生まれながらにして持っている才能がない人」のことを意味します。

この曲の中にも「コウノトリのおかげで股がパンパン」「俺はダルマエナガの足 お前はコウノトリの足」という歌詞が使われており、この曲は才能がなく努力が実らないことに対する皮肉のメッセージを込めた一曲になっています。

ちなみにBTSはご存知の通り、今では大成功した韓国アイドルですが、この曲の中では次にご紹介する「スプーン階級」の下位に属しているという設定です。

BTSの「BAEPSAE」には「금수저（クムスジョ）」という単語が登場します。

これは「金のスプーン」という意味で、韓国人の日常会話において頻繁に使用される単語のひとつ。

韓国には「スプーン階級」という説があり、ダイヤモンド、金、銀、銅、ステンレス、泥など経済状況がスプーンの素材に例えられます。

「金のスプーン」は社会のトップ0.1%ほどであり、裕福な家に生まれた人のことを意味しています。

自分がどれだけ努力をしても、そもそも「生まれた家の環境や経済水準によって人生が左右されてしまう」という認識であり、皮肉として使われることも多い言葉です。

ですが最近は、皮肉としてではなく、ただお金に余裕がありそうな人に対しても日常的に使われています。

BTSの「BAEPSAE」には「몇 포 세대（ミョッポセデ）」という単語も登場していますが、こちらは「何放世代」という意味があります。

韓国は今、とても長い不景気が続いており特に女性の中には困難な生活を強いられている方も。

そこで2011年頃には、お金がないため「恋愛」「結婚」「出産」を諦める「三放世代」が登場しました。

これは、「恋愛」でさえも資本主義と大きな関わりがあることを示しています。

その後「就職」と「マイホーム」まで諦める「五放世代」、さらに「人間関係」や「夢」まで諦める「七放世代」が登場。

特に最近では新型コロナの影響で仕事がなくなり「全てのことを諦める」という「N放世代」まで登場してしまいました。

これは韓国の深刻な社会問題で、BTSの「BAEPSAE」にはこのような現代社会に対する不満や苛立ち、皮肉のメッセージが込められていることが分かります。

ここまでBTSの「BAEPSAE」に登場する韓国語をご紹介しましたが、辞書や市販の教材などでは学ぶことができない単語でしたね！

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