こんにちは
韓国料理が得意な
日本在住の韓国人shirokumaです。
皆さんは冷麺についてどのぐらいご存知ですか?
今回は韓国にある代表的な冷麺について徹底分析します。
現在、韓国で販売している冷麺の中から、
平壌、ハムフン、ソウル式のメジャー3種類について
歴史、特徴、そしてそれに代表するお店を3つ紹介します。
歴史などで話が少し長くなると思いますが、
できるだけ分かりやすく説明しますので、
是非最後まで読んでください。
ルーツは現在の北朝鮮にあり、平壌と咸鏡南道咸興が本場として知られる。韓国側には、1950年に朝鮮戦争が勃発した際、南に逃れた北朝鮮出身者を通じて本格的に普及したといわれている。本来は寒い冬に暖かいオンドル部屋の中で食べる料理で、1849年に書かれた『東国歳時記』に「冬の時食として、蕎麦麺に菁葅(大根のキムチ)や菘葅(白菜のキムチ)を入れ、そのうえに豚肉を和えたものを冷麺という」との記述がある。現在の韓国では夏の食べ物と認識され、大衆食堂は夏の間しか出さないが、冷麺専門店は冬も出している。
出典: ja.wikipedia.org
引用した文書にも書かれているように冷麺は北朝鮮からきたと言われています。
韓国で冷麺と言ったら、「平壌冷麺」、
「ハムフン(咸興)冷麺」とよく思いがちですが、
実は近代まで「冷麺」と呼ばれるものは「平壌」と
「チンジュ(晋州)」だけだったようです。
「チンジュ」の冷麺については例外として、
今回紹介する3つの冷麺はルーツも少しずつ違います。
お店を1つ1つ紹介しながら、そのルーツも
詳しく説明していきたいとおもいます。
ソウル近く河南スタフィールドにある平壌麺屋の支店店内
元々議政府(ウィジョンブ)に本店を持つこのお店は
韓国平壌冷麺の元祖とも言われています。
本来の平壌冷麺は冬の食べ物でしたが、
1910年代、冷蔵庫などの機械の投入で
夏にも食べれるようになった様です。
本来の味の特徴としては牛、豚、鶏からとった出汁も味が本当に薄くて、
”雨上がりの土の匂いがする”と言われる味だったようですが、
韓国では少し調味料を加えて、今の味になったようです。
そうなっても結構薄味です。
麺はそば粉を使っており、コシがないのが特徴です。
一般的に冷麺を食べる際、「からし」、「お酢」を入れますが、
北朝鮮の人及び平壌冷麺が好きな方は
”それは絶対してはいけない行為”だと言います。
ですが、個人差もありますし、それぞれ好みも違いますので
お好きにアレンジしても構わないと思います。
私は最初だけそのまま食べて、途中お酢を入れるぐらいにしています。
そして、平壌冷麺は元々汁なしの「ビビン麺」はなかったですが、
現在、韓国にある平壌冷麺専門店は
ほとんどニーズに合わせて、「ビビン麺」を出しています。
スタフィールド河南というショッピングモールの中にあります。
薄味でインパクトもないかもしれませんが、
私は韓国行く際には毎回食べているほど、大好きです。
お好みじゃないかもしれませんが、一つの経験としても
強くお勧めします。
ここは以前私が「カルビタン」のお店として紹介した
【ハンイルガン(한일관)】です。
80年の歴史を持った老舗ですので、
ソウル式水冷麺はここですと自信もって言えます。
ソウル式冷麺は「ハンフン冷麺」に
チュンチョンの「マッグッス」をミックスした「ビビン麺」と、
平壌冷麺に甘酸っぱく味付けした「水冷麺」、この2つだと言えます。
特に、このお店はソウル式「水冷麺」の伝統を良く守っています。
ソウル式はハムフン冷麺の影響もあり、
麺を作る際、「ジャガイモ」or「さつま芋」のでん粉を加えます。
そのため、コシが強く、出汁は甘酸っぱいです。
ソウル式冷麺が恐らく、皆さんが韓国で良く食べる冷麺だと思います。
このお店は前回の「カルビタン」、今回の「冷麺」含め、
本来のソウル味を代表するお店だと言っても過言ではないぐらい、
長い歴史を持ったお店です。
色んなソウル料理が楽しめるお店でもありますので、
是非行ってみてください。
ハムフン冷麺【ソッチョコダリ冷麺(속초코다리냉면)】압구정갤러리아WEST
このお店はデパートの地下1階にあるフードコート内にあります
先程も話しましたが、「ハムフン冷麺」は元々冷麺と呼ばれてなかったです。
元々ハムフンでは
「フェグッス(회국수)」=汁が少ないか、
汁なしで上に辛いソースにあえたタラの刺身(半乾燥)を乗せた麺料理
「ノンマグッス(농마국수)」=ジャガイモ、さつま芋、トウモロコシなどの
でん粉で作った麺に牛、豚、鶏でとった出汁を入れて、
醤油、ごま油、ニンニクなどで作られたソースを乗せて食べる麺料理
この2つの料理が朝鮮戦争の時、
南の韓国に入ってきて、色々アレンジされたものが
今の「ハムフン冷麺」と呼ばれるようになり、定着しました。
一般的に「ハムフン冷麺」は「ビビン冷麺」だと言われますが、それは違います。
ここの冷麺は汁が少なめで混ぜながら、食べます。
このお店でも「水冷麺」はありますが、
ほとんどのお客さんはタラの刺身が入った
このビビン冷麺を注文します。
ハムフン冷麺は麺はコシが本当に強く
良くゴムみたいだと言われていますが、
その理由はミョウバンが入るからです。
ミョウバンを入れた理由は麺の形の維持と
長持ちさせるためだったと言われています。
毎回行って食べても、麺のコシとタラの刺身の食感は本当に最高です