アップデート : 2020-04-23
韓国の古い都があった場所が慶州です。日本で言う京都。屋根のない世界遺産が多く点在しています。また、釜山からのアクセスも良く、ソウル→釜山→慶州へ旅行する人が増えています。新羅王朝名残の文化遺産もあり、古き良き韓国を知る上で欠かすことのできない場所となっています。
慶州(キョンジュ)は、かつて朝鮮半島を初めて統一し栄華を極めた新羅王朝の古都。
ここには、ユネスコ世界文化遺産に登録されている史跡が多く、歴史ファンの観光客が毎日のように訪れています。
また、韓国国内では修学旅行先として人気があり、日本で言う京都・奈良のような存在です。
慶州は、各都市からのアクセスもよく、KTX(高速鉄道)を使えばソウルから3、4時間、釜山からは30分の距離。
空港バスも出ており、国外からの移動もスムーズ。
慶州はコンパクトなので、1日で世界遺産を周ることができるのも人気です。
「屋根のない博物館」という異名は、ここから来ています。
1995年に石窟庵と仏国寺がユネスコの世界遺産に登録され、2000年には慶州歴史地域が登録。
さらに2010年には良洞村が世界遺産に登録されました。
これで市内には3件の世界遺産が存在する事になり、稀にみる世界遺産都市となったのです。
慶州には桜の木が多く、毎年春には“慶州さくらマラソン”が開催され日本からも参加者があります。
また「普門(ポムン)リゾート」と呼ばれるリゾート地があり、歴史体験ができる「新羅ミレニアムパーク」や高級ホテル・ゴルフ場が並んでいます。
歴史好きにそしてゆったりと観光したい人にもおすすめの観光スポットが「慶州」です。
ソウル駅や高速バスターミナルから慶州までのアクセスを紹介します。
▪ソウル駅から
〇地下鉄1号線ソウル駅→龍山(ヨンサン)駅→乗り換え 京釜高速線新慶州(シンギョンジュ)駅
所要時間(120分)金額49,300ウォン
▪ソウル高速バスターミナルから
〇高速バス慶州高速バスターミナル行き(1時間に1本程度)
所要時間(300分)金額(20,0400ウォン)
▪最寄り駅 中央線慶州駅、京釜高速線新慶州駅
「雁鴨池 (アナッチ)」は、慶州駅から慶州国立博物館に向かうバス通り沿いに庭園があり、そこにひろがる大きな池のことです。
池の中には大小3つの小島が浮かび、北側、東側の岸には12の小山が築かれています。
不老不死の仙人が住む三神山と、仙女の住む巫山十二峰をイメージしています。
絶妙の配置で草花を植え珍しい動物を放し仙界のように作られたのが雁鴨池です。
ここは、かつて新羅の王侯貴族が船を浮かべて遊んだ場所。
昔は月池(ウォルチ)と呼ばれていました。
実はこの雁鴨池の美しさは、絶妙な計算に基づいて人為的に作られたもの。
雁鴨池は池のどこから眺めても全体の姿を見渡せない作りになっています。
1970年代に発掘調査をしたときの出土品700点ほどが、国立博物館内にある雁鴨池館で公開されています。
雁鴨池から博物館までは200mほどの距離。
池を見て風流を楽しみ、その後で博物館を訪れるのも良いのではないでしょうか。
■料金:大人1,000ウォン、青少年500ウォン、子供400ウォン
■アクセス:中央線慶州駅からタクシーで約10分
■Instagram:なし
瞻星台 (チョムソンデ)は、 7世紀につくられた東洋でもっとも古い新羅時代の天文台です。
高さ9.108m、下部直径4.93m、上部直径2.85mのとっくり型の愛らしい形。
1962年に国宝第31号に指定されました。
単純に石を組み上げただけのようにも見えますが、実はものすごく緻密な計算に基づいて作られています。
まず全体的に使われている石が全部で361個半。
これは陰暦の1年を表しています。
また中間に四角形の窓のようなものが作られていますが、この窓の上段を基準に最上段までが12段で下段から最下段までも12段。
これは1年12ヶ月の意味と24節気を表現しています。
内部を見ると下から12段目までは土で埋まっており、出入口の四角形の窓にはハシゴをかけた跡があるそうです
ハシゴで中に入り最上部まであがったと考えられています。
過去1,300年以上も人々とともに、慶州の夜空を見上げてきた東洋最古の天文台。
天文台を見ながら、歴史のロマンを感じてみませんか?
もっと詳しく知りたい人におすすめなのは、慶州民俗工芸村の敷地内にある新羅歴史博物館。
ここには5分の1サイズで作った瞻星台の模型があり、内部の構造を見ることができます。
■電話番号:054-772-5134
■営業時間/休業日:8:30-19:00(11~2月は17:00まで)/年中無休
■料金:大人3,000ウォン 子供(4~12歳)2,000ウォン
■アクセス:中央線慶州駅からタクシーで約10分
■Instagram:なし
「仏国寺(プルグッサ)」は、霊山として信仰を集めてきた「吐含山(トハムサン)」西麓に広がる仏教寺院です。
春は桜そして秋は紅葉が美しいお寺。
「三国遺事」という史料によれば、751年に新羅の宰相、金大城(キム・デソン)が建立したという記録が残っています。
「仏国寺」という名が表すように、その創建と深い関係にあるのが仏教。
7世紀後半に高句麗・百済を滅ぼし朝鮮半島を統一した新羅が、人々の心のよりどころとして公認したのが仏教でした。
お寺の景観を際立たせているのは、新羅仏教芸術の特徴の石造建築。
石という素材だったので災禍では幸いにも火の手を免れ、中には貴重な創建当時の材料が残っているものもあります。
「仏国寺」を築き上げた新羅人は、石ひとつひとつに自らの救済、両親の冥福、国家と民族の安寧、釈迦の加護に対する切実な思いを込めたと言われています。
そうした願いが結集した「仏国寺」は、新羅人にとっての理想郷で仏教信仰の拠り所でした。
境内には新羅仏教芸術の傑作と称えられる7つの国宝が現存。
1995年には「石窟庵(ソックラム)」とあわせて「ユネスコ世界文化遺産」に登録されました。
■料金:
大人 満19~64歳 5,000ウォン
中高生 満13~18歳 3,500ウォン
小学生 満7~12歳 2,500ウォン
※小学生未満、満65歳以上は無料
■アクセス:慶州高速バスターミナルからタクシーで約30分
■Instagram:なし
「良洞民俗マウル(ヤンドンミンソンマウル)」は、韓国にある民俗村の中でも500年以上の歴史を持つ名門集落です。
村の中には54戸の瓦屋敷と110戸の藁ぶき家屋があります。
保存状態や規模、文化財の数と伝統性、自然の美しさから、村全体が重要民俗資料第189号に指定。
2010年にはユネスコ世界遺産にも登録されました。
山と4つの谷と2つの尾根、川のほとりという自然環境は、風水学的にも好条件を満たしているという良洞民俗村。
またこの村は、朝鮮王朝文官の孫昭(ソン・ソ、1433-1484)、成均館の成員・李蕃(イ・ボン、1463-1500)、文臣・李彦迪(イ・オンジョク、1491-1553)など朝鮮時代には数々の名士を輩出しました。
ただこの場所は山間にあるので傾斜が多く、移動だけでも一苦労。
そのため一般の観光客は、代表的文化財である4ヶ所の韓屋を中心に見学することが多いそうです。
それだけでも約1時間はかかる広さ。
村全体を見て回ると3~4時間はかかるため、じっくり見学したい人は村の中にある韓屋民宿の利用が便利です。
予約をすれば、儒教文化や茶道、伝統菓子作りなどの伝統文化体験も可能です。
山道が多いため、歩きやすい靴での訪問をおすすめします。
■料金:
大人 大学生以上4,000ウォン
青少年 中学生・高校生 2,000ウォン
子ども 小学生 1,500ウォン
※未就学児は無料
■アクセス:慶州高速バスターミナルからタクシーで約50分
■Instagram:なし